ai-appletea’s diary

自由が丘で暮らす30歳の会社員。日々の生活で感じたこと、おすすめのモノ・コト、少し恋愛の悩みなど、いろいろ綴りたいと思います。

読書の記録( i /西加奈子)

西加奈子さん、有名な方ですが私は何となくずっと手に取ったことがなくて。

ご本人をテレビで何度か見て、明るいカラリとした雰囲気の方のようにお見受けしたので、作品もそんな感じでなのかなと思っていました。


先日、初めて読んだのが『地下の鳩』でした。カラリ、では全くなくて、むしろ心の奥底のどろっとした感情を炙り出すような、それでいてどこか醒めた冷静な視点で、残酷なエピソードも躊躇せず書かれていて驚きました。

『地下の鳩』は表題作ともう1編が入っていて、どちらも大阪の夜の街が舞台です。

面白かったとか感動したとか、そういう簡単に言い表せる感想が持てるストーリーではなくて、正直言って好きか好きじゃないかもはっきり判断できませんでしたが、

何となく読後もずっと心に残って、ふと思い出す場面がある、そんな本でした。

特に2つめの作品に出てきた、「一度傷つけられた人はずっと傷つかないといけないのか」という台詞がずしんときました。


そしてもう1冊読んでみようと手に取ったのが、『i』です。

一人の女性(アイ)が、自分の存在意義や世界の不均衡、溢れる不条理な死について、幼い頃から悩み苦しみながら成長していく物語。

『地下の鳩』と同じく、登場人物の感情全てに共感したり納得したりできたわけではないですが、心に刺さる作品でした。


※以下、少しネタバレがあります。


私も小学生くらいの頃、貧しい国や紛争地域に生まれる子どもと自分は何が違うんだろうと考えたことがあったのを思い出しました。
自分はまだ子どもで、何も出来ないからと言い訳してきたように思いますが、大人になっても、結局何も行動できていない自分を改めて感じました。

悲惨なニュースに胸が痛むのは事実ですが、現地に赴いたり、多額の寄付をしたりもしていない。美味しいものが食べたい、おしゃれをしたい、楽しく過ごしたいという欲も尽きません。

人生は一度きりなんだから楽しんだもん勝ち、という考え方も全く間違っていないと思いますし、自分の人生を生きる(日本語おかしいかな?)ことで精一杯。

だけど、本当にそれでいいのかな。
目を背けていたことを考えさせられました。


ただ...主人公のアイとても苦しい日々を過ごしてきましたが、結局は、素晴らしい両親、何でも話せる友人、理解ある恋人に囲まれて、それも相手からアイに寄り添ってくれていて、ちょっと羨ましい気持ちにもなりました。


今すごく気になる小説家です。次は『サラバ!』を読もうかな。

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